やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2018/05/01
青色申告特別控除額の見直し

[相談]

 私は個人事業を営んでいます。
 これまで、所得税の申告は青色申告でずっと行ってきており、毎年、65万円の青色申告特別控除を受けてきました。
 ところで、平成30年度の税制改正により、2020年(平成32年)分の所得税申告から、青色申告特別控除額が65万円から55万円に引き下げられると聞いたのですが、本当でしょうか。


[回答]

 ご質問の内容どおり、2020年分の所得税申告から、青色申告特別控除額は原則として現行の65万円から55万円に引き下げられることになりました。ただし、一定の要件を満たす場合には、これまで通り65万円の控除を受けることができます。詳しくは下記解説をご参照ください。


[解説]

1.青色申告特別控除とは

 現行の青色申告特別控除とは、青色申告者に対して設けられている税務上の特典の一つで、所得税については、その年分の所得金額から最高65万円又は10万円を控除するという制度です。
 このうち、65万円の控除を受けるためには、不動産所得や事業所得の取引内容を、正規の簿記の原則(一般的には複式簿記が該当します)により記帳したうえで、貸借対照表と損益計算書を作成し、それらを確定申告書とともに提出すること等が要件とされています。


2.平成30年度税制改正での変更内容

 平成30年度の税制改正では、2020年(平成32年)分の所得税から、取引を正規の簿記の原則に従って記録している人についての青色申告特別控除額を、現行の65万円から10万円引き下げ、55万円とすることとされました。
 ただし、次の要件のいずれかを満たす場合には、青色申告特別控除額はこれまでと同じ65万円とすることができるとされています。

(要件)

  1. その年分の事業についての仕訳帳および総勘定元帳について、法律に定めるところにより、電磁的記録の備付けおよび保存を行っていること
  2. その年分の所得税の確定申告書、貸借対照表および損益計算書の提出を、電子申告(e-tax)によって行うこと
 上記のうち、A. については、国税関係帳簿を最初から一貫してコンピュータを使用して作成することや、事前に税務署長に対してその承認を受けるための申請手続を行う必要があります。
 このため、現実的に個人事業者が取り組みやすいものとしては、B. の電子申告(e-tax)による確定申告書等の提出になるのではないでしょうか。

 もし、ご自身で電子申告を行うことが難しい場合には、ぜひお近くの税理士にご相談ください。多くの税理士事務所では電子申告の体制を整えていますので、そのような税理士事務所に確定申告を依頼されれば、これまで通り65万円の青色申告特別控除額を受けられます。
 また、今は顧問税理士がいないという個人事業者の方でも、これを機会に、顧問税理士を探されてみてはいかがでしょうか。税額だけでなく、税務相談・経営相談など、たくさんのメリットを得られるのではないかと思います。


[根拠法令等]
措法25の2、平成30年度税制改正大綱(平成29年12月22日閣議決定)など


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