国税の犯則調査に「デジタル」のメス 証拠収集の電磁的記録提供命令と情報漏洩への罰則が新設
デジタル社会への移行に伴い、税務当局による犯則調査(脱税などの刑事罰を伴う調査)の手続も劇的な変化を遂げようとしています。 令和8(2026)年度税制改正では、刑事訴訟法の改正に合わせ、国税・地方税の犯則調査における「デジタル証拠」の取り扱いが明確に整備されました。
裁判官の許可による「電磁的記録提供命令」の新設
これまでは現物の差し押さえが中心でしたが、今後はオンライン上のデータや記録媒体そのものに対して、法的な提供命令が出せるようになります。
- 提供命令の仕組み: 税務職員は、裁判官が発行する許可状に基づき、電磁的記録を保管する者などに対し、データの提供を命じることができます。
- 守秘義務の遵守: 命令を受けた際、その事実を他人に漏らしてはならないという「守秘命令」が下される場合があります。
- 違反時の罰則: この提供命令や守秘命令に違反した場合、「1年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」という厳しい刑事罰が科されることになります。
調査手続のデジタル化
書類のやり取りが中心だった現場も、電磁的記録への対応が進みます。
- 許可状の電子化: 裁判官が発付する捜索・差押許可状などが、書面だけでなく電磁的記録(データ)で行えるようになります。
- 目録や調書のデータ作成: 差し押さえた物件の目録や、質問に対する回答をまとめた調書についても、データでの作成・提供が可能になります。
- 検察への引継ぎ: 犯則事件の告発も電磁的方法で行われ、収集されたデジタル証拠はそのまま検察官へと引き継がれる仕組みが整います。
施行時期とプライバシー保護への留意
この新しい手続は、令和9(2027)年10月1日から施行される予定です。
一方で、デジタルデータの収集においては、事件と関係のない個人情報を過度に取得しないよう、これまで以上に厳格なプライバシー保護への留意が求められています。 経営者としては、データの適切な管理はもちろんのこと、当局側の手続が適正に行われているかを見極めるための知識も必要とされる時代になります。
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