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【全企業対象へ】従業員50人未満でも「ストレスチェック」が義務化!法改正の動向と準備

「うちは従業員が数名だから関係ない」そう思っていた経営者の方に、大きな法改正のニュースです。

これまで従業員数50人以上の事業場に義務付けられていた「ストレスチェック制度」ですが、2025年5月に改正法が成立し、50人未満の小規模事業場を含めた「全事業場での義務化」が決定しました。

日本の企業の96%は従業員50人未満です。つまり、今回の改正は国内のほぼすべての会社に関わる重大な変化となります。今回は、義務化のスケジュールと、なぜ今対策が必要なのかを解説します。

いつから義務になる? 遅くとも2028年5月までに施行

今回の法改正により、これまで「努力義務」にとどまっていた50人未満の事業場(小さな会社や飲食店など)も、年1回のストレスチェック実施が「義務」となります。

気になる施行時期ですが、法律では「公布日から3年以内に政令で定める」とされており、遅くとも2028年5月までには実施が義務化される見込みです。「まだ先だ」と思われるかもしれませんが、産業医のいない小規模事業場でどう実施体制を組むか、外部委託はどうするかなど、準備すべき課題は山積みです。

また、対象となる従業員には、正社員だけでなく契約社員、パート、派遣社員も含まれる点に注意が必要です。なお、会社側には「実施の義務」がありますが、従業員側には受検の義務はなく、受けるかどうかを選択することができます。

なぜ今?「精神障害労災」が過去最多を更新

国が全企業への義務化に踏み切った背景には、メンタルヘルス不調による労災認定の急増があります。

厚生労働省が2025年6月に公表したデータによると、2024年度の「精神障害」の労災請求件数は3,780件(前年度比205件増)に達しました。さらに、実際に労災と認定された「支給決定件数」は1,055件となり、初めて1,000件の大台を突破。これで6年連続の過去最多更新となりました。

原因としては、パワーハラスメント(パワハラ)やカスタマーハラスメント(カスハラ)の増加、長時間労働などが挙げられます。「小さな職場だから人間関係も良好」とは限りません。むしろ閉鎖的な環境ほど問題が深刻化しやすいリスクもあります。

「やりっぱなし」にしない環境づくりを

ストレスチェックの本来の目的は、従業員自身が自分のストレスに気づき、セルフケアを行うきっかけを作ることです。しかし、検査をして終わりでは意味がありません。結果をもとに産業医との面談やカウンセリングを推奨したり、職場の環境改善につなげたりすることが重要です。

ストレスの原因は人間関係や長時間労働だけではありません。暑さ・寒さ、照明の明るさ、騒音、椅子の座り心地など、物理的な「小さな不快感」の積み重ねもストレス要因となります。総務担当者や産業医がいない小規模事業場こそ、外部リソースをうまく活用し、従業員が心身ともに健康で働ける環境整備を進めていく必要があります。


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