【消費税実務】ポイント利用時の仕入税額控除「値引」vs「両建」処理の使い分け完全ガイド
ポイント決済の普及で重要度が急上昇
キャッシュレス決済の普及により、様々な「ポイント制度」が増加しています。事業者が受け取る請求書やレシートにも、ポイントが利用されたものを目にする機会が格段に増えました。
事業者が自己の有するポイントを使用して仕入れや経費の支払いを行う場合、ポイントの使われ方により、消費税の課税仕入れにおける「支払対価の額」が変わってきます。
判断基準は「インボイスの記載方法」
ポイント使用時の課税仕入れの取扱いは、以下の2つに区分されます:
| 区分 | 支払対価の額 |
| ①ポイントで値引を受ける場合 | ポイント控除後の金額 |
| ②ポイントを支払に充てる場合 | ポイント控除前の金額 |
重要なポイントは、どちらの処理を選択するかは、受け取ったインボイスの記載内容に基づいて判断するということです。事業者側で任意に選択できるものではありません。
ケース①:ポイント値引処理の場合
インボイス例①(値引処理)
| ボールペン ポイント値引 |
990円 ▲110円 |
| 合計 10%対象 |
880円 880円(内消費税80円) |
| 現金支払 | 880円 |
処理方法
このインボイスでは、「税率ごとに区分して合計した対価の額」として、ポイント控除後の金額(880円)が記載されています。
したがって、ポイント使用後の金額(880円)を課税仕入れとして処理します。
仕訳例(税込経理)
| (借)消耗品費 880円 | (貸)現金 880円 |
ケース②:ポイント支払処理の場合
インボイス例②(両建処理)
| ボールペン | 990円 |
| 合計 10%対象 |
990円 990円(内消費税90円) |
| ポイント支払 | ▲110円 |
| 現金支払 | 880円 |
処理方法
このインボイスでは、「税率ごとに区分して合計した対価の額」を算出した後に、ポイントが支払手段として充てられている記載となっています。
したがって、ポイント支払前の金額(990円)を課税仕入れとし、ポイント使用額を雑収入(不課税)として計上する両建処理を行います。
仕訳例(税込経理)
| (借)消耗品費 990円 | (貸)現金 880円 雑収入 110円 |
実務上の重要ポイント
まずレシートの表記をよく確認
ポイント利用の会計処理では、まずレシート・インボイスの表記を注意深く確認することが最も重要です。同じポイント利用でも、記載方法により処理が変わるためです。
国税庁の見解
国税庁タックスアンサーNo.6480では、「商品購入時に発行されるレシートには、ポイント使用の態様に応じて『課税仕入れに係る支払対価の額』が表示されていると考えられる」とし、レシートの表記から判断して差し支えない旨が明記されています。
システム対応の確認
経理システムや会計ソフトを使用している場合は、ポイント利用時の処理方法についてシステムが適切に対応できているか確認しておきましょう。
この取扱いを理解し、適切な消費税処理を行うことで、税務調査時のリスクを軽減できます。
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