私道にしか接していない土地の相続税評価はどうなる?特定路線価と位置指定道路の注意点
宅地の相続税評価では、接している道路の路線価をもとに評価額を計算します。
ただし、宅地が私道にしか接していない場合や、位置指定道路の奥・入り口にある場合は、路線価の有無によって評価方法が変わります。私道に沿接する宅地の基本的な考え方を整理します。
宅地の相続税評価は路線価をもとに計算
路線価が定められている地域にある宅地の相続税評価額は、その宅地が接する道路の路線価をもとに算定します。路線価を宅地の形状に応じて奥行価格補正率や間口狭小補正率などの各種補正率で調整します。そのうえで、調整後の1平方メートル当たりの価額に宅地の地積を乗じて評価額を算定します。
宅地が正面路線のほかに側方路線にも接している場合は、正面路線価に基づく評価額と、側方路線価に基づく評価額に影響加算率を乗じた金額との合計額で評価します。
私道にのみ接する宅地は路線価の有無を確認
私道に路線価がある場合
路線価は、不特定多数の者が利用する道路に設定されます。通り抜けできる私道には通常、路線価が設定されています。
宅地が私道にのみ接しており、その私道に路線価がある場合は、私道を正面路線として、その路線価をもとに評価額を算定します。
路線価がない場合は特定路線価を設定できる
一方、行き止まり私道は通行する者が限定されるため、路線価は設定されません。
路線価のない私道にのみ接する宅地では、税務署に申し出て、その私道に特定路線価を設定してもらい、評価額を算定することができます。この方法は、分譲宅地を造成する際に設定される位置指定道路にも利用されています。
国税庁の財産評価基本通達では、路線価の設定されていない道路のみに接する宅地を評価する必要がある場合、納税義務者からの申し出などに基づいて、特定路線価を設定できるとしています。
位置指定道路の奥にある宅地の評価
位置指定道路の奥にある宅地は、位置指定道路を正面路線とし、特定路線価を設定して評価できます。
また、特定路線価を設定せず、奥にある宅地と位置指定道路を一体の旗竿地として評価したうえで、奥にある宅地部分を面積按分し、評価額を算定する方法もあります。
位置指定道路の入り口にある宅地の評価
位置指定道路の入り口にある宅地は、正面が路線価のある道路に面し、側方が位置指定道路に面しています。
この位置指定道路に路線価がない場合、側方路線影響加算は行いません。路線価のない私道に面しているため、加算の余地がないからです。
また、位置指定道路に特定路線価を設定した場合も、側方路線影響加算は行いません。特定路線価は、もともと路線価のない道路にのみ接する宅地を評価するために設定されるものだからです。
国税庁の質疑応答事例でも、奥にある宅地を評価するために特定路線価を設定した場合、入り口側の宅地の評価に、その特定路線価に基づく側方路線影響加算を行う必要はないとされています。
私道の利用による効用にも目を向ける
位置指定道路の入り口にある宅地には、側方路線影響加算は行いません。
一方で、その宅地の所有者は、奥にある宅地の所有者と同様に、位置指定道路に面して玄関や自転車置き場を設置できるため、私道の利用に伴う効用を得ているともいえます。
私道に沿接する宅地は、道路に路線価があるか、特定路線価を設定するか、宅地が位置指定道路の奥と入り口のどちらにあるかによってこのように評価方法が異なります。
土地と道路の状況を整理したうえで、評価方法を確認することが大切です。
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