資本剰余金配当で届く「支払通知書」とは?経理処理の注意点を解説
上場株式配当の基本的な税制度
上場株式を保有していると、通常年2回(業績により1回・ゼロ回)の現金配当を受け取ることができます。
株主が法人の場合、配当を受け取る際の源泉所得税は15.315%が控除され、手取りは84.685%となります。個人の場合は20.315%の源泉税で手取りは79.685%です。なお、NISA(少額投資非課税制度)口座での取引から得た配当金には、原則として税金はかかりません。
「配当等とみなす金額に関する支払通知書」が届く理由
資本剰余金を原資として配当が支払われた場合には「配当等と見なす金額に関する通知書」が届きます。このような通知書が届くのは資本剰余金の配当が資本の払い戻しと利益の配当とが併せて行われることがあり、通常の利益剰余金からの配当とは異なる税務処理が必要になるからです。
資本剰余金とは何か
資本剰余金とは、株主からの出資額のうち、資本金に組み入れられなかった部分で、貸借対照表の純資産の部に計上されます。発生の原因は以下のようなケースです:
- 増資
- 合併
- 自己株式の処分
したがって、純粋に株主が出資した金額とそれ以外の利益の性格を持つ部分からなることとなります。
資本剰余金配当の税務上の取扱い
資本剰余金からの配当は、以下の2つの部分に分かれて処理されます:
みなし配当
資本金等の額以外の金額からなる部分は利益の性格を持つため「みなし配当」となります。これは配当所得として所得税等の源泉徴収の対象となります。
資本の払戻し
資本金等の額からなる部分は「資本の払戻し」となります。この場合源泉徴収の対象にはなりませんが、保有株式の一部をその配当をした会社に譲渡したものとみなされ、税法上「みなし譲渡損益」が発生することがあります。
経理処理で必要な計算
資本の払戻し部分については、以下の2つの計算が必要になります:
- 取得価額の調整
- みなし譲渡損益の計算
この2つの金額は、発行会社から通知される「純資産減少割合」を用いて計算します。通知書には計算例が記載されていますので、それを見ながら自社の帳簿に記帳します。
一見面倒そうですが、計算例に従うと計算自体は難しくありません。
まとめ
資本剰余金を原資とする配当は、通常の利益剰余金からの配当とは税務上の取扱いが大きく異なります。「配当等とみなす金額に関する支払通知書」が届いた場合は、みなし配当と資本の払戻しの区分を正確に理解し、適切な会計処理を行うことが重要です。
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