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初めての補助金申請①~補助金と助成金・給付金の違いとは?

「新型コロナウイルス感染症の影響で初めて給付金の申請を行った」といった声がよく聞かれます。これを機会に補助金・助成金・給付金に興味を持った、申し込めるものがあれば申し込みたい、という方も多いのではないでしょうか。「補助金」「助成金」「給付金」は何となく同じような意味で使われがちですが、違いについて知らないと、申し込みを決めた後に困ることもあります。今回のコラムでは、「どのような違いがあるのか?」「お金をもらえることに変わりはないのでは?」といったよくある質問にお答えしたいと思います。
※注意 当記事は作成時点(2021年10月)の情報を基に作成しておりますが、ご活用の際には必ず該当する補助金の公募要項などをご確認ください。

 

補助金、助成金、給付金は別物

補助金や助成金、給付金は国・地方公共団体(民間の団体で行っているものもあります)から支給されるお金で、原則は返済不要です。誰でももらえるわけではなく、申請や審査が必要です。

補助金

経済産業省や地方公共団体の管轄のものが多く、その目的はさまざまです。予算があらかじめ決まっているものがほとんどで、その予算内で採択件数が決まるため、申請したからといって必ずしも受給できるとは限りません。事業計画書を提出する必要があり、その内容によって採択が決まります。

助成金

厚生労働省の管轄のものが多く、雇用や労使の関係において、国が推進していきたい施策に対して制度が作られ、その制度を実施した際に支給されるお金のことです。一定の支給要件を満たし、所定の様式に従って申請をした事業者に予算の範囲内で支給されることが多いです。

給付金

病気になったり被災したりした場合など、定められた状態であれば申請して受けられます。給付金には「持続化給付金」のように事業者向けのものと、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」「教育訓練給付金」といった個人向けのものがあります。

補助金と助成金の7つの違い

混同されやすい「補助金」と「助成金」に注目し、7つの大きな違いを説明します(ここでは、個人ではなく中小企業者や個人事業主など事業者に関するものについて説明します)。

 

補助金

助成金

実施主体

経済産業省または地方公共団体

厚生労働省

支援分野

技術開発、新製品・新サービス開発、省エネ設備の導入、販路拡大など

雇用増加・安定化、能力開発など

難易度

難(高倍率、審査の結果採択事業者が決まる)

ある政策を推進する最もよい事業計画に限って支給される
(形式的な要件+事業計画の中身)

易(一定の要件を満たせば予算の範囲内で支給される)

支給要件を満たした場合に申請することができ、審査を通過した場合に支給される
(形式的な要件)

金額

数十万円~数億円

数万円~100万円超

申請と支給の
タイミング

申請は事業開始「前」、支給は事業完了「後」が原則

要件に合致したら申請、審査完了通過後に支給

募集時期

年1回~複数回、公募期間は1~2カ月程度

通年

専門家

中小企業診断士、認定支援機関など

社会保険労務士など

それぞれ以上のような特徴を持ちますが、「補助金」と「助成金」の違いをまとめると、

  • 「補助金」は主に新規事業や新製品の開発、販路拡大といった事業や経営戦略にかかわるもの
  • 「助成金」は雇用や能力開発といった人材にかかわるもの

が一般的であるといえます。

また、どちらも条件を満たし審査に合格すればお金がもらえるのですが、基本的に申請は事業実施の「前」に行うことに注意が必要です。
よく「新しく設備を購入したが、活用できる補助金はないか」といった質問を受けることがあります。この場合、事業実施より「後」の申請となってしまうため、残念ながら活用できる補助金はほとんどありません。新規事業や設備導入などを計画している段階でご相談いただくことで、活用できる補助金などをご提案できる可能性が高まります。

「補助金」や「助成金」という言葉は明確に定義されているわけではなく、中には「助成金」という名称でも実質的には補助金同様の性格を持つものもあるので、注意が必要です。個別の支援制度の内容をよく理解した上で活用する必要があります。

 

代表的な補助金・助成金

代表的な補助金

ものづくり補助金

ものづくり補助金(正式名:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、中小企業などによる生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産性プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。
補助額が最大1,000万円と大きく、人気の高い補助金です。
新事業にチャレンジしたい、生産ラインを増強したい、サービスの質を高めたい場合に活用をご検討ください。

ものづくり補助金総合サイト

持続化補助金

持続化補助金(正式名:小規模事業者持続化補助金)は、持続的な経営に向けた経営計画に基づき、小規模事業者の地道な販路開拓の取り組みを支援する補助金です。
新型コロナの影響を受けた事業者向けに、補助額を拡大した「低感染リスク型ビジネス枠」も用意されています。
商品を宣伝したい、ホームページを開設したい、店舗改修をしたい場合など幅広い目的で活用できることで人気の補助金です。

小規模事業者持続化補助金(商工会議所地区:日本商工会議所)

小規模事業者持続化補助金(商工会地区:全国商工会連合会)

小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)

IT導入補助金

IT導入補助金(正式名:サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金)は、中小企業などの生産性を改善することを目的とし、ITツール導入による業務効率化を支援する補助金です。
定型業務の自動化や情報の一元管理など、主にバックオフィス業務の効率化を図るためのソフトウェア導入が対象で、ITベンダー(正式名:IT導入支援事業者)と共同で申請します。
ITで業務を効率化したい、働き方改革をしたい場合に活用をご検討ください。

IT導入補助金2021

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するため、中小企業などの思い切った事業再構築を支援する補助金です。
令和2年度第3次補正予算に1兆円超といった大規模な予算で組み込まれたことで注目を集めたので、聞いたことのある方もいらっしゃるかと思います。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け事業継続が難しくなった事業者が、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、または事業再編といった新たな挑戦に取り組む場合に活用をご検討ください。
なお、申請要件のひとつに「認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する」ことが盛り込まれています。ペンデル税理士法人は認定経営革新等支援機関として本補助金の申請支援実績も豊富です。まずはお気軽にご相談ください。

事業再構築補助金

 

代表的な助成金

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金とは、有期契約社員から正社員に登用するなど、非正規雇用の労働者(有期雇用労働者、短期間労働者、派遣労働者など)の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化や処遇改善の取り組みを実施した事業者に対して助成する制度です。
キャリアアップ助成金にはいくつかコースがありますが、今般、人気を集めているのが「正社員化コース」です。上記記載の有期契約社員から正社員のほか、有期契約から無期契約、無期契約から正社員などがあり、それぞれ支給される金額は異なります。

キャリアアップ助成金  

雇用調整助成金

雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練、出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に支払った、休業手当や賃金などの一部を助成する制度です。
特例措置などを適宜開始し、事業主が雇用の維持に努められるよう実施しています。

雇用調整助成金

 

まとめ

補助金と助成金・給付金は、自社の目的と合致しており活用できるものがあるのならば、大いに活用すべきものです。しかし、活用できるものを探すこと自体が大変という声もよく聞きます。また活用したい制度があっても、手続きが煩雑で社内・社外に対応できる人材がいないなど、申請に至るハードルが高いと感じられるかもしれません。そのような際には、ぜひ私たちペンデルグループにご相談ください。
経験豊富な専任スタッフが、ぴったりの補助金・助成金をご紹介し申請のお手伝いをいたします。

 

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