医療専門税理士が伝えたい! クリニック開業のポイント(2)開業地の選定、広告・宣伝
医業経営支援部/鈴木健太郎
開業地の選定
開業形態とは、戸建て開業なのかテナント開業なのかということです。
テナント開業であれば商業施設内や医療モール内など選択肢はいくつもありますが、今回は戸建て開業とテナント開業のメリット・デメリットを簡潔にご説明いたします。
戸建て開業
メリット
- 地域に密着した医療が行える
 - 自分の理想の診療スペースの確保がしやすい
 - 駐車場の確保がしやすい
 
デメリット
- 初期投資が多額になる
 - (郊外であれば)患者に認知されるまでに時間がかかる
 
テナント開業
メリット(商業施設・医療モール・ビル内共通)
- 認知度が高く、早期に患者を集めやすい
 
デメリット
- 商業施設:物件情報が出にくい、賃料設定が高め
 - 賃貸ビル:駅前は競合クリニックが多く、患者の確保が難しい
 - 医療モール:モール内の他院に悪評が立つと、自院にも影響しやすい
 
この他にもたくさんのメリット・デメリットはありますが、選定する際には、「どのような患者を相手に、どのような診療を行いたいか、それにはどのくらいのスペースが必要なのか」といった内容から考えてみると見えてくるものがあるかもしれません。
広告・宣伝
続いて、患者に認知してもらうために重要なのが広告・宣伝です。広告・宣伝の方法といっても様々ではありますが、効果が大きいものの一つは、やはりホームページではないでしょうか。患者の年齢層にもよりますが、ホームページを見てから来院する方が大多数を占めます。
ただ、医療法では広告・宣伝の内容について、厳しくルールが決められているのです。ルールを逸脱すると指摘され、改善を求められるケースもあります。
医療法等で定められた、広告可能な内容は次のとおりです。
- 医師または歯科医師である旨
 - 診療科名
 - 医療機関の名称、電話番号、所在場所、管理者の氏名
 - 診療日時、予約診療の有無
 - 法令の規定にもとづく一定の指定を受けている旨
 - その他、病床の有無や医療従事者に関する事項など
 
対して、禁止されている広告内容は次のとおりです。
- 比較広告
 - 誇大広告
 - 客観的事実であることを証明できない内容の広告
 - 公序良俗に反する内容の広告
 
以上のような制限があるため、医療機関の広告・宣伝を熟知している会社に相談・依頼することをおすすめします。
※本コラムは、日本調剤株式会社の運営する専門メディア「メディカルセンター.JP」に2022/6/7付で掲載されたコラムを転載したものです。
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