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PCR検査費用は会社の経費や個人の医療費控除対象になる?

新型コロナウイルス感染症の流行は変異株の登場が相次ぎ、収束のめどが立ちません。

円滑な業務遂行のため、PCR検査による陰性証明が必要になる場面はますます増えています。

そこで今回は、会社が負担したPCR検査費用の法人税と消費税における取り扱いおよび個人が負担した場合の所得税における取り扱いについて取り上げます。

業務のために必要なPCR検査を受けた場合

法人の業務を遂行する上で必要な費用であれば、法人税法上の損金の額に算入できます。これが考え方の基本です。

たとえば取引先との打ち合わせに際して陰性証明が不可欠な場合など、業務遂行上必要な検査であれば、法人税法上の損金として認められます。

ただし、特定の役員や社員のみに対し、業務遂行上の必要性がないのに会社が検査費用を負担した場合は、給与として扱われる可能性が高いでしょう。

海外出張の際に必要となる出国時検査費用および帰国前の外国での検査費用も法人税法上の損金として認められます。

なお、出国時の検査は、国内で行われかつ自由診療なので、消費税の課税対象です。

帰国前の検査は外国での検査なので、日本の消費税法上、不課税取引です。消費税の課税区分に注意しましょう。

取引先のPCR検査を負担した場合

また、取引先の検査費用を自社で負担した場合、自社業務を安心・安全に遂行するため自社の要望によって行っているなら損金算入が認められます。

接待ゴルフ目的で取引先が行ったPCR検査費用を自社が負担したような場合は、交際費扱いとなる可能性が高いでしょう。

いずれにせよ、税務上どのように扱われるかは、事実認定の問題ということとなり、ケースバイケースで判断されます。

個人でPCR検査を受けた場合

個人が旅行目的や単に安心するため行ったような検査費用は、原則、医療費控除の対象とはなりません(国税庁:「4 新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係 問12-2 PCR検査費用の医療費控除の適用について〔令和2年10月23日追加〕」より)。

しかし、 PCR検査の結果、陽性であることが判明し引き続き治療を行った場合は、検査は治療に先立って行われる診察と同様に考えることができ、医療費控除の対象となります。健康診断費用と同じ取り扱いです。


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