スマホアプリ納税のメリット・デメリット
所得税を確定申告した結果、納税が必要となった場合、税金の納付方法を選択する必要があります。
所得税の納付方法には、以下の6種類があります。
所得税の納付方法
1.振替納税
預貯金口座からの口座引き落としにより納付します。
利用に当たっては、事前に税務署または金融機関へ専用の依頼書を提出するか、e-Taxにより依頼書を提出します。
2.ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)
e-Taxで申告書を提出した後、預貯金口座から即時または指定した期日に、口座引き落しの手続きを行うことで納付します。
事前に税務署へe-Taxの利用開始手続きを行った上、税務署または金融機関に専用の届出書を提出するか、e-Taxにより届出書を提出します。
3.インターネットバンキング等
インターネットバンキング、モバイルバンキング、またはATMから納付します。
事前に税務署へe-Tax(国税電子申告・納税システム)の利用開始手続きをしておく必要があります。
5.スマホアプリ納付
「国税スマートフォン決済専用サイト」からPay払いを利用して納付します。
6.現金納付
金融機関や税務署の各窓口、コンビニエンスストアなどで納付します。
各窓口やコンビニエンスストアで納付する場合は納付書が必要です。
紆余曲折のスマホアプリ納付開始
2022年12月1日から「国税スマートフォン決済専用サイト」において、スマホアプリを利用した納付ができるようになりました。
スマホアプリとは、いわゆる「〇〇Pay」と呼ばれる決済アプリです。現状利用可能なPay払いは、PayPay・d払い・auPAY・LINEPay・メルペイ・AmazonPayの6種類です。
本来でしたら2022年1月から導入される予定でしたが、コロナ禍の影響で、決済専門サイトを運営する事業者の選定が間に合わず、延期になっていました。
スマホアプリ納付のメリット
同様に国税の支払いができるクレジットカード納付については手数料がかかりますが、スマホアプリ納付の利用については、手数料がかかりません。
e-Tax経由で直接銀行口座から引き落としで納付する「ダイレクト納付」に比べると、必要な入力事項も簡易で、Pay払いを普段使いしている方にとっては支払い手続きも簡単なものになっています。
また、e-Taxの受信通知や「確定申告書等作成コーナー」で出力される2次元コードを使って決済サイトにアクセスすると、納付区分番号・納付先税務署・税金の種類・課税期間・納付税額がすでに入力された状態になるため、さらに簡単に納付ができます。
スマホアプリ納付のデメリット
スマホアプリ納付は1回の納付額上限が30万円であるため、それ以上の納付を行うためには複数回に分けて手続きを行う必要があります。
また、各種Pay払いには独自に支払い上限額が設定されていて、例えばPayPayだと過去24時間で最大50万円、過去30日間で200万円が支払い上限(残高使用時)、 auPAYだと1日あたり50万円の支払い上限が設定されています。
この支払い上限に達してしまうと、Pay払い自体がしばらくできなくなってしまうことになり、納付どころか普段使いもできなくなってしまいます。
さらに、スマホアプリ納付は振替納税よりも納付期限が早まります。
納税通知書による振替納税の場合、口座からの振替日は2023年4月24日(月)ですが、Pay払いなどは法定納期限の通り2023年3月15日(水)です。
少額の申請には便利ですが、高額となれば支払い上限額に達してしまう、また納期限が早くなってしまうため、注意が必要です。
当法人では、個人事業主の確定申告、企業経営者や役員の確定申告なども行っています。気になる点がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。